こんにちは。なないろの森歯科クリニック副院長の三浦です。
6月に入り、雨の日が多くなってきました。
ジメジメとする季節ですが、気分は晴れやかに過ごしたいですね。
さて今回は、歯根破折(しこんはせつ)についてお話します。
歯根破折とは、歯の根の部分が割れてしまう症状で、見た目では気づきにくく、知らないうちに進行してしまうことが多いのが特徴です。
特に神経を抜いた歯は血流がなくなり、水分が失われて脆くなるため、破折しやすくなります。
歯根破折が起こる主な原因
- 神経を取った歯や差し歯
- 金属の土台(メタルコア)を使った歯
- 歯ぎしり・食いしばり
- 噛み合わせの悪さや歯並びの不良
症状のサイン
- 噛むと痛みや違和感がある
- 歯ぐきが腫れる、膿が出る
- 歯が浮いたような感じがする
- 差し歯や被せ物がよく外れる
初期は軽い違和感だけの場合も多く、神経のない歯では痛みが出にくいため、発見が遅れることもあります。
歯根破折の治療は、破折の場所や程度によって異なります。
ごく軽度の場合は修復治療が可能なこともありますが、多くの場合は抜歯を余儀なくされることが多いです。
破折線が浅い場合は歯冠長延長術(クラウンレングスニング)で保存できるケースもあります。
何より歯根破折が起こらないように予防することが重要です。
そのポイントは
- 定期的な歯科検診で早期発見
- 金属以外の土台(ファイバーポストなど)を選ぶ
- 噛み合わせや歯並びの矯正
- 歯ぎしり・食いしばり対策としてマウスピースの使用
- 日々の丁寧な歯磨きと虫歯予防
歯根破折は残念ながら自然治癒がありません。
違和感や腫れなどのサインを感じたら、早めに歯科医院を受診しましょう。
歯を長持ちさせるためには、日々のケアに加えて定期的な検診、これが何より大切です。
歯科医師 三浦知子