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歯周病と認知症の関連

こんにちは。

なないろの森歯科クリニック 歯科医師の三浦です。

 

10月に入り、ずいぶん過ごしやすくなってきましたね。

正直、ここ最近は夏の暑さで運動する気にまったくならず…

涼しくなってきたので、そろそろ言い訳せず、始めていきます!

 

さて、今回は歯周病と認知症の関連についてお話します。

実は歯周病が、アルツハイマー型認知症の発症リスクを高めることが近年の研究で明らかになっています。

歯周病菌が歯ぐきの炎症を起こし、血液中に入り込むことで脳にも影響を及ぼし、認知症の原因物質であるアミロイドβが脳に蓄積しやすくなるとされています。

 

実際の研究データでは、

・歯周病のある人は、ない人に比べて認知症になるリスクが高かった。

  (台湾で行われた追跡調査では、慢性歯周病がある人はアルツハイマー型認知症の発症リスクが1.7倍高かった。)

 

・脳の組織検査では、アルツハイマー型認知症患者の脳から歯周病菌による毒素が高頻度で検出された

 

・歯を多く失うと咀嚼力が低下し、脳への刺激や血流も減少、それによって認知機能が低下しやすくなる。

 

 

このように、以前は無関係のように思われていた歯周病と認知症に、実は大きな関連があると分かり、近年ますます歯周病予防の重要性が高まっているのです。

 

おすすめする具体的な予防策は、

・毎日の歯みがきで歯垢を確実に除去する。(フロスを併用する)

・よく噛んで食べる習慣をつけ、噛む力によって脳を刺激し認知機能を維持させる。

・痛みや出血など自覚症状がなくても定期検診を受け、歯周病の早期発見・治療を心がける。

・専門的なクリーニング・歯石除去などを定期的(3~6ヶ月ごと)に受ける。

 

2025年には日本国内の認知症患者が約700万人になり、そのうちアルツハイマー型が最も多い約70%を占めるとされています。

また、65歳以上の5人に1人が認知症になるという予測も示されていて、医療や介護の分野では深刻な社会課題となっています。

 

健康寿命を延ばすためにも、予防できることをぜひ始めていきましょう。

 

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