歯科医師の平越と申します。
歯医者さんでレントゲン撮影をするとき、「被曝って大丈夫なのかな?」と不安に思う人は多いと思います。実は、歯科で使うレントゲンの放射線量はとても少なく、日常生活の中で自然に浴びている放射線と比べてもごくわずかです。たとえば、歯の小さなレントゲン(デンタル)は約0.005mSvで、これは私たちが自然界から半日〜1日ほどの間に受けている放射線量と同じくらいです。お口全体を写すパノラマでも約0.01mSvで、東京から沖縄まで飛行機に乗ったときの被曝量とほぼ同じです。歯科用CTでも0.03〜0.1mSv程度と、海外旅行の飛行機移動の途中までに相当する程度です。
そもそも、私たちは一年間に約2.1mSvの放射線を自然に浴びて生活しています。そう考えると、歯科レントゲンで受ける放射線量は年間の自然被曝のほんの数%以下にすぎません。治療や診断の精度を高めるためには、レントゲンで見えない部分を確認することが非常に重要で、むしろ撮影するメリットのほうが圧倒的に大きいと言えます。虫歯や歯周病は見えない部分で進行することがあり、レントゲンを撮ることで骨の状態や虫歯の進行具合がわかり、治療の失敗を防ぐことにもつながります。
妊娠中の場合も、歯科のレントゲンはお腹から離れた位置で撮影され、必要に応じて防護エプロンも使うため、基本的には安全とされています。ただし、妊娠初期は不安が大きい時期でもあるので、心配なときは遠慮なく歯科スタッフに伝えてください。撮影の必要性を一緒に判断したり、できる限り安心できる形で進めることができます。
歯科のレントゲンは、世界基準に合わせて放射線量がしっかり管理されており、患者さんの安全を第一に考えて使われています。必要な場所に、必要な回数だけ。レントゲンは、見えない部分を正確に把握して、よりよい治療につなげるための大切な道具です。不安なことがあれば、いつでも遠慮なく相談してくださいね。














